2月文楽公演のここがスゴイ!

こんにちは!

明けましておめでとうございますと言うにはあまりにも遅い遅いスタートとなってしまいました…(笑)
とはいえ、新年が明けてから第1回目の更新です。

2019年もたのしい!古典芸能をよろしくお願いいたします。
仕事が最も忙しい時期なのでまたしても更新頻度が低くなってしまいそう、というか既になってしまっているのですが…頑張って更新していきますので、引き続き遊びに来ていただけると嬉しいです!
 
さて、前回の忠臣蔵のお話の続きをしようかなと思っていたのですが、それよりも今日はみなさまへ"文楽のすゝめ"です。笑
今月2月は東京で、文楽公演が行われています!

東京の公演は大人気で毎回土日のチケットはすぐなくなってしまうのですが、なんと今月はどの演目もチケットがまだ手に入るようです!
この機会に、文楽デビューはいかがでしょうか??

はじめて見る方には1部、あるいは3部がおすすめだと思いますが、個人的に特におすすめしたいのが、文楽の"人形"と"人間"の関係性の面白さがとてもよく分かる第3部、18時からの公演です!


第3部の演目は、

『鶊山姫捨松』

(ひばりやまひめすてのまつ)
 中将姫雪責の段
 

『壇浦兜軍記』

(だんのうらかぶとぐんき)
 阿古屋琴責の段

こちらの2本立て。

「〇〇の段」というのは、簡単に言うと「〜〜の場面」という意味で、今回はこのお話のうちの、どこどこの場面を上演しますよ!と伝えるために「〇〇の段」という表現が使われます。

異なる演目の中から、見所のある場面をピックアップしている形なので、物語は途中から始まって、途中で終わります。

これまでどんなお話だったの?このあと一体どうなっちゃうの??と気になるところでもありますが、今月の3部はストーリーのことはあまり心配しなくても大丈夫。
というのも、目と耳で楽しめて、初めての方でもきっと文楽のスゴさを感じていただける演目だと思うからです!

ではどうスゴイのか、第3部の個人的なおすすめポイントをまとめてみました。

おすすめポイント1

最高峰の人形遣いによる美しく儚い姫君を見よ!


ぜひみなさんに目撃していただきたいのが、人間国宝で現在の文楽界トップの人形遣い、吉田簑助さんの技。

『鶊山姫捨松』の主役"中将姫"を遣うのが簑助さんなのですが、簑助さんの遣う人形はそこに佇んでいるだけでも全然違うのです。

思わず人形ではない何か生き物なんじゃないか、魔法か何か使っているんじゃないか…と思ってしまうほど。

特に、役者さんによる舞台をよくご覧になる方や、「人形かぁ…」となんとなく懸念してしまう人にこそ、簑助さんの遣う人形を観ていただきたいなと思います。

きっと、「人形」を超越した存在に出会えるはずです!

おすすめポイント2

これぞ才色兼備、傾城阿古屋の意気地に惚れる!


阿古屋は、『壇浦兜軍記』阿古屋琴責の段(あこやことぜめのだん)に登場する遊女、それも傾城です。

中国に由来する傾城という言葉、遊郭では、美しさだけでなく知性を兼ね備え、また芸事に長けたたいへん位の高い遊女に与えられる称号です。

なぜか女性が拷問に遭う演目2本立てという今月の第3部なのですが(笑)、阿古屋に対する「琴責」、はたしてどんな拷問でしょう?

なんと痛めつけられる拷問、ではなく、

琴・三味線・胡弓

の3種類の楽器を弾け!という、とても変わった拷問なのです。

というのも、阿古屋は源氏方に追われる平家の武将、藤原景清の恋人。
行方をくらました景清の居場所を吐かせるべく連れて来られたものの、何も知らないと言う阿古屋の精神を追い詰めるための道具として登場するのが先に挙げた3種類の楽器です。
なんとも悪趣味で恐ろしい拷問ですね(笑)

しかし阿古屋は数々の難題に驚き呆れながらも、それを乗り越えるどころか、どうだ参ったか!と相手を引かせてしまうほどに圧倒します。
その姿は本当にカッコよく、きっとみなさんも惚れ惚れしてしまうはずです!

そしてなんといっても、3種類の楽器が舞台上に登場し、阿古屋のごとく観客を圧倒させる演奏が繰り広げられるところがこの演目の面白いところ。

劇場内の音と完全に一致した阿古屋の動き、そして舞台上向かって右側の舞台「床」での演奏を見比べながら、楽しんでいただければと思います。


それぞれのお話のあらすじは特設サイトに載っていますので、ぜひ読んでみてくださいね。


文楽の面白いなあと思うところは、お芝居のストーリーだけでなく、舞台を作り上げる人々の"技術"にスゴイ!!となれるところではないかなと個人的に思っています。

今月の第3部は、特にそういった人間×人形だからこその味わいが楽しめるとても良い演目だと思いますので、ぜひ皆さま足を運んでみてください!

私は初日に観に行ったのですが、おかわりをする予定です(笑)


思わず熱く語ってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!

ブログを読んだ方が、実際に劇場に足を運んでいただけると嬉しいなあと思います。
本当にオススメですよ〜!


ではでは、みなさまのまたのお越しをお待ちしております!

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たのしい!古典芸能

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