黄金コンビといえば??
こんばんは!
前回に引き続き、今回も文楽の本拠地、大阪について、また竹本義太夫という人物についてお話しをしていきたいと思います。
前回の記事の中で載せた、文楽ととても関係の深い神社に行った際に発見した9歳の男の子の絵馬の写真。
この絵馬が奉納されている神社、名前は「浄瑠璃神社」といって、生國魂神社(いくくにたまじんしゃ)の境内にある末社のひとつです。
こちらが浄瑠璃神社。生國魂神社の境内の、1番右奥にあります。
"いくたまさん"の名前で親しまれる生國魂神社は、その歴史は平安時代までさかのぼるたいへん由緒ある神社。
そして近松門左衛門の大人気作『曽根崎心中』にも出てくる神社なのです。
『曽根崎心中』の「生玉社前の段」という場面、この「生玉社」こそ、いくたまさんのこと。
もちろんお芝居=作り物ですから、すべてが忠実というわけではないのですが、近松門左衛門は実際に起こった事件を題材にして多くの作品を書き上げた人物。
いま現在も大阪に残る場所が、物語の中にたくさん登場します。
同じ『曽根崎心中』だと、お初徳兵衛が心中をした場所「天神の森」。
現在は森、という感じではないですが、こちらは曽根崎にある露天神社(つゆのてんじんじゃ)。
露天神社の通称は「お初天神」、もちろん、曽根崎心中に登場するお初の名前から来ています。
『曽根崎心中』をはじめとした心中物における男女の心中には、「この世で2人は幸せになれなかったけれど、来世でまた必ず結ばれて幸せになろう」という誓いがこめられています。
永遠の愛を誓ったお初徳兵衛という情熱的な二人にゆかりのあるお初天神ですから、縁結びのご利益があると言われていますよ!
さて、お話をいくたまさん、とりわけ浄瑠璃神社に戻しましょう。
「文楽の太夫になりたい」という男の子のあの絵馬、浄瑠璃神社に奉納されているのにはちゃんと理由があります。
というのもこの浄瑠璃神社、文楽の成立、発展に功績を残した「浄瑠璃七功人」が神様として祀られているのです。
そしてその7人の中にはもちろん、竹本義太夫、近松門左衛門も。
かつて大阪道頓堀にあった「竹本座」の座本=興業の責任者 かつ、舞台に出演するパフォーマーであった竹本義太夫。
『曽根崎心中』も、この人が確立した「義太夫節」というスタイルによって、竹本座で上演された人形浄瑠璃です。
それまでたびたびタッグを組んですぐれた浄瑠璃作品を世に送り届けていた2人ですが、曽根崎心中の爆発的なヒットは、竹本座が抱えていた借金を完済してしまったほど!
竹本義太夫と近松門左衛門、まさに黄金コンビというわけです。
竹本義太夫の確立した「義太夫節」、これがいまも続く文楽の、いわば"音"の部分であり、日本の伝統的な音楽である「浄瑠璃」のうちのひとつ。
次回は「浄瑠璃」について、またもう少し詳しく「義太夫節」についてお話しをさせていただく予定です。
文楽劇場のお話は今回入れられなかったのですが、次回以降写真と一緒にご紹介をさせていただきます。
では、みなさまのまたのお越しをお待ちしております!
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